ずっとあなたを愛してくれるかもしれない
友だちの条件

3月は別れの季節です。卒業や転勤など、日本中がいつもよりも「さようなら、またね。」と別々の場所に向かうための挨拶を交わします。
親しい友だち、一緒に仕事をした仲間を見送るなど、さようならの場面を見かけることが多いでしょう。



必然的にこの時期は、友人との距離が変わることになります。
慌ただしい季節なので、近づくというより「離れる」時期に該当します。他のことに時間を取られてしまい、友だちと過ごす時間も減るでしょう。

離れてみるとわかることがあります。富士山も、遠くから眺めたほうが実際の形がよくわかります。
近くで見ていると気づかないのは、手鏡と同じ。一部しか見えていないのです。

「フレンド」の語源は「Fri(愛する)とend(もの)」


Fri(愛する)とend(もの)がFriendの語源(古英語)だとかつて中学の英語の先生から教わり、それを筆者が今でも覚えているのは、「愛する」という単語に大人の世界を感じたからです。

それまでの小学生の時の「♪友だち100人できるかな?」という、無邪気な歌のイメージから、友だちの意味が変わった気がしました。
「友だちって、愛する人のことなんだー、なんだかドラマチック…」そんな気持ちに浸ったことを記憶しています。

それ以来進学やクラス替えで知り合う人が増えるたび、私が愛せるかもしれない人は誰だろう?そんな大げさなことを感じながら少し緊張して友だち作りをしていましたが、大人になった今では、友だちは少ないかもしれません。
たくさんの人を愛すると、ちょっと荷が重く、仕事の量とのバランスが難しいからです。

さて、あなたにとって特別な友だちとは、どのような基準を持つのでしょうか?
以前に、筆者が担当している実践心理学の授業で「一生続く友だちを見つけるには?」というテーマで受講生にディスカッションをしてもらったことがありました。知り合いと友だちの差はなんだろう?という疑問がきっかけでした。

休みのたびに会うから特別な友だち?
いいえ、長い間会わなくても再会したとたん、一瞬で昔に戻ってハグできる間柄も、特別な友だちかもしれません。

悩みを相談できるのが特別な友だち?
いいえ、特別な人だからこそ言えないこともあるのではないでしょうか?

「パートナーになるかもしれない友人」の見つけかた


5年おきに実施されている国立社会保障・人口問題研究所の2015年の「現代日本の結婚と出産」(5,334組の夫婦への調査の結果)のデータによると、現在の結婚相手とお見合い(結婚相談所含む)で出会った人は結婚したカップルの5.3%で、それ以外の夫婦の出会いは、職場や学校、幼なじみなどの関係から結婚に至っているという結果があります。

つまり、約95%のカップルは、友人からパートナーを見つけている人が多いというデータに目を向けてみてください。
異性の友だちから結婚に進展したカップルは、友人の時期に結婚相手と知り合っているのです。
ここで筆者から、この記事をお読みくださっているあなたがもし、これから先に結婚を考えていらっしゃるかただとしたら
「あなたをずっと愛してくれるかもしれない友人の見つけかた」を提案させてください。


1.あなたの長所を言葉にして伝えてくれる人。


「髪が綺麗だね」「声が素敵だと思う」
「料理上手だね」「優しいね」

あなたをずっと愛してくれるかもしれない相手は、あなたの良いところをダイレクトにあなたに伝えてくれるでしょう。それはあなたに興味を抱き、あなたをよく観察してくれているからです。あなたのよいところを見つけて、あなたを安心させたり自信を持たせたくて、正直に惜しまず伝えてくれるでしょう。
長所が自信の元になることを知っている、愛情深い人だからです

2.あなたの短所を言葉にして理由と共に伝えてくれる人。


「それはちょっと違うと思う。その理由はね…」

あなたをずっと愛してくれるかもしれない相手は、あなたの欠点が現れてしまったときに急に不機嫌になって、よそよそしく無口になり、あなたを不安にさせたりはしないでしょう。

あなたが傷つかないように理由を説明して、自分の意見を提案してくれます。それはあなたを否定、批判するものでなく、あなたがこれからの未来に他の人にも愛される存在であるために、嫌われることを承知であなたに「ちょっと待って」、と誠実に向かい合ってくれる人だからです。

3.あなたが本当に困っているときに、できるだけ早くに駆けつけて手を貸してくれる人。


太宰治著『走れメロス』のなかで、メロスの友人セリヌンティウスは、メロスを救うためにメロスに頼まれて暴君ディオニス王の人質になります。
あなたをずっと愛してくれるかもしれない相手は、あなたに不幸やトラブルが訪れたときに、あなたがしてほしいことをしてくれます。自分がしてあげたいことではなく、あなたが望むことに力を貸してくれるでしょう。
その人は、あなたの人生が必ず幸福なものであると信じているからです。

3月はさようならの季節です。
だからこそ、ずっと愛してくれるかもしれない、ずっと愛せるかもしれない相手かどうか?に気づくタイミングです。

引っ越しや異動などで離れてみて、「さようなら、またね」のあとにわかる相手の存在。
さようならと共に、感じてみてください。