手作りで安心!レジャーや玄関にも使える "虫よけアロマ"



夏とともにやってくる "蚊の季節"。
今回はエッセンシャルオイル(精油/アロマオイル)を使って蚊を寄せ付けない方法をご紹介します。
良い香りと同時に暑気払いもできる優れモノです!

アロマで蚊よけの利点

アロマテラピーで使うエッセンシャルオイルは植物から採られたものです。
植物も生物として自然界で生き抜いていく必要があるため、植物はサバイバル装置を備えています。

その1つが香りによる忌避作用のある成分。
これは虫を寄せ付けない作用をもった物質です。
植物の種類によってはその成分が「蚊」の退治に効果的といわれています。
この成分を含んだエッセンシャルオイルを使えば、蚊よけができるわけです。



エッセンシャルオイルの香りはいかにも虫よけ剤という印象ではなく、爽やかな香りが気分をリフレッシュさせてくれ、汗のにおい消しにも役立ちます。

一押しはレモングラスのエッセンシャルオイル



蚊よけでもっともおすすめのエッセンシャルオイルはレモングラスです。
“レモンのような香りがする草(グラス)” ということでレモングラスと呼ばれます。

イネ科のハーブで東南アジアの料理やお茶としても人気です。
メーカーにもよりますが、レモングラス精油は10mlサイズ1,000円前後で買えます。

やや刺激のある香りが特徴なので、人によっては少し濃い印象を受けますが使用する際には薄めるため差し障りないと思います。
同じイネ科のシトロネラはレモングラスよりやや爽やかなニュアンスの香り。レモングラスもシトロネラも古くから蚊帳(かや)に編み込まれた植物です。

レモングラスにはどんな効力が?

公益社団日本アロマ環境協会(AEAJ)発表のデータによると、基材(今回は無水エタノール)に対して10%濃度に混ぜたエッセンシャルオイル(レモングラスとシトロネラ)で100%の蚊の忌避作用(※)があることが確認されています。なかなかな実力ですね!

ただここで注意なのは10%濃度という点。これは皮膚につけるには高濃度です。
通常、肌につける場合は1%から多くて1.5%ほどの濃度で使うことが多く、AEAJでは1%以下の濃度を推奨しています。1%濃度はいろいろな状況(肌質・年齢等)を考えると、安全に使うための濃度と言えます。

では10%濃度のエッセンシャルオイルでないと全く効果がないのかといえばそうではありません。この発表では1%濃度でもレモングラス精油の場合は40%の忌避率と発表されています(シトロネラ精油は0%)。こちらを踏まえて、できれば1%濃度で使ってほしいと思います。

肌につけず使う方法であれば2%などでもいいかもしれませんが、なるべく換気をするなど、安全面には十分に配慮をしてください。
※蚊の忌避率
無水エタノールのみを塗布した場合と比較して、どれだけの忌避作用があったかを示したもの

 

おうちで作ろう!アロマ虫よけ2種



用途に分けて使える "2つの虫よけ剤" の作り方をご紹介します。
いずれも1%濃度でのレシピですが、小さな子どもやペットにはつけないでください。

レモングラスを使った虫よけスプレー

水気が多いため、肌にスプレーするほか、玄関やベランダなど空間にエッセンシャルオイル成分を広げたり、外出時のかばん、アームカバー、帽子、ベビーカーなどにスプレーできます。ほんのり色がついているため、白い衣類などには気をつけて使うようにしましょう。シミになった場合はすぐに洗濯すれば大抵はきれいになります。

<材料(完成品約50ml)>
レモングラスのエッセンシャルオイル…10滴
無水エタノール…5ml
精製水(または軟水のミネラルウォーター)…45ml

<作り方>
1.ガラスビーカーに計量した無水エタノールを入れ、そこにエッセンシャルオイルを入れます。ビンを振らずに1滴ずつ入れましょう。
2.清潔なガラス棒(使い捨ての竹串などでもOK)でよくかき混ぜます。
3.精製水を加えてさらに混ぜ、きれいなスプレー容器に入れれば完成です。
使う際はよく振り混ぜてからスプレーしましょう。

レモングラスを使った虫よけバーム(軟膏)



基材に白色ワセリンを使います。ワセリンの原料は鉱物油で、医療現場や薬の基剤として使われることが多いものです。ワセリンは皮膚への保湿効果や保護作用もあります。やわらかい軟膏状なので、肌に塗って使用します。

<材料(完成品約10g)>
レモングラスのエッセンシャルオイル…2滴
白色ワセリン…10g

1.計量した白色ワセリンにエッセンシャルオイルを加えます。
2.清潔なガラス棒(使い捨ての竹串などでもOK)でよくかき混ぜてレモングラス精油がなるべく均一になるように丁寧に混ぜます。
3.清潔なクリーム容器に入れて完成です。

保存について

いずれも2週間ほどで使い切りましょう。特にスプレーは水が多く入っています。高温多湿な場所には置かないようにしてください。
※肌に合わない場合は使用を中止してください。
※虫よけと殺虫は異なります。虫よけはあくまで蚊を寄せ付けないという意味です。