「ぼっち」は不幸?いいえ、自由の副作用&出会いのチャンスです!
月めくりのカレンダーがあと1枚で役目を終える12月。
寒さが苦手な人にはこれからの気候は、しばらくの間ゆううつかもしれません。
寒い時に手をこすり合わせるように、多くの人は体が冷えると本能的に暖を求めて、暖炉やキャンドルの炎が近くにあれば手をかざします。
炎のオレンジのカラーは、色彩心理では「人との交流」を象徴します。古来から、焚き火に人が集まりました。
焚き火に近づけば身体が温まり、誰かと会話もできます。ゆらめくオレンジ色の炎は、心と身体を癒す効果があるのです。
冬は「恋人が欲しい!」と感じる季節?
そして…「恋人が欲しい!」と人が強く感じるのは12月が最も多いというデータもあるようです。
誰かと暖まりたくなるのも人間の本能なのでしょう。
そういえば、ロマンティックな映画には冬のシーンが多いと思いませんか?
吐く息が白く、ピンと張り詰めた冬の空気の中、ヒロインがマフラーに頬を埋めながら彼を見上げ、そんな彼女に戸惑いながらも彼は眩しそうに彼女を見つめている…。
映画でなくても、この季節は恋人たちのストーリーが深まるタイミングです。
筆者も冬は、仕事の帰り道にカップルを多く見かける気がします。
この時期はすれ違う恋人同士の距離が、特に密な気がするのです。
街路樹が煌めく歩道を寄り添い、手を繋いで歩く恋人たちは、イルミネーションやライトアップを眺めながら、時折立ち止まって上を見上げています。
このような場面をよく観察すると、上を見上げている人の表情は、実際よりも瞳のサイズが大きく見えます。
しかも、照明が反射してキラキラと輝きながら、恥ずかしそうに微笑む彼女の可愛さマジックはこの季節ならでは。
そんな中…恋人がいないかたは、輝くイルミネーションを前にひとり「ぼっち」。少し前によく耳にしたネットスラングの「ぼっち」とは「ひとりぼっち」の略語です。
クリスマスを一人で過ごす人のことを「クリぼっち」と呼んだりしますね。
クリぼっちはさみしいイメージがします。
自虐や皮肉のニュアンスも含んだ、少し痛々しさもある独特の表現だと思います。
孤独は不幸ではなく、自由の副作用です
みなさんは、どんなときに孤独を感じますか?
『世界で一番恐ろしい病気は、孤独です』
これはマザーテレサの言葉です。
たしかに孤独は孤立を生み、孤立は絶望感を伴います。
ですが、現代はすでに21世紀を迎えていてマザーテレサの生きた20世紀とは人間の有り様も変化しています。
多くの場合、人は一人きりでいるときに孤独を覚えることが多いように感じますが、そんなときは一人でいることが「退屈なとき」です。
一人でいることに退屈を感じて誰かに会いたくなるのは、十分に孤独を楽しんだからなのでしょうか?
一人きりの時間は自由ですから、孤独は自由の副作用。
自由だからこそ体験できる活動もあるので、あながち孤独が悪いことなのではありません。
一人のほうがカフェや映画館は席が見つかりやすく、一人だからこそ行動も気分次第。
だだし、愛し合う恋人たちとすれ違うときは二人を祝福しましょう。
恋人たちの近くには、恋のキューピッドが舞っているかもしれません。
小さな羽を背中にはためかせ、弓と2本の矢を持つギリシャ神話の神様「キューピッド」は、近くにいる人の心に矢を放つのです。
キューピッドの「鉛の矢」に気をつけて!
キューピッドは2本の矢を持っているといわれています。
金の矢を射られてしまうと誰かを愛してしまう宿命。
鉛の矢を射られてしまうと、誰かに嫉妬してしまう宿命だとか。
もし私たちがすれ違う恋人同士にジェラシーを抱いてしまうとしたら、それはキューピッドに鉛の矢を射られてしまったからかもしれません。
キューピッドはまだ少年だったために、気まぐれで矢を射ていたのだそうです。
嫉妬という文字は両方とも女扁が使われていて、「嫉」も「妬」もねたみの感情を表現しています。
女性特有のヒステリー状態や、興奮してしまっている様子がねたみの特徴なのです。
不思議なことに、嫉妬の文字の中に、キューピッドの放った矢が入り込んでいるのは偶然でしょうか…。
これからの季節、ひとり「ぼっち」でも冬を楽しみましょう。
誰かとペアでいるよりも、隣が空いてるほうが出会いのチャンスがあると思いませんか?
鳥が着地するときは、翼を広げます。
キューピッドがあなたと誰かの近くに舞い降りることができるように、寒い冬でも外に出てみましょう。
そして、ひとりぼっちの夜こそ上を向いて歩きましょう。
もしイルミネーションやライトアップされていない街角でも、上向き視線の瞳には冬の星座が反射します。
今月あなたが出会う誰かには、ひとりでいるあなただからこそ、あなたの輝く瞳を隣から見つめてみたくなるかもしれません。