【癒ログ】〜雨の日に聴きたい〜心を落ち着かせるクラシック5曲
雨が降る日はなんとなく憂鬱な気持ちになりがちです。
しかし、昔から音楽家たちはその雨からインスピレーションを受け、すてきな曲を生み出して来ました。
クラシックの雨をモチーフにした曲5選。この曲を聴けば雨音も心なしか、いつもより楽しげに聞こえるかもしれませんよ。
メラルティンの「雨」
フィンランド出身の作曲家・メラルティンのピアノ曲集「悲しみの園」の第4番です。
降り注ぐ雨のしずくを感じさせるこの曲の魅力は、北欧らしいピュアな透明感。 美しいピアノの音色は雨の降り始めを思わせるきらきらとした軽い雰囲気から始まり、雨音が激しくなるかのように、ピアノも次第に激しくなり、やがてまた穏やかになり、最後は雨上がりのようにゆっくり、とまさに雨の降り始めから終わりまでをピアノの音で表現した名曲です。
この曲を聴いた後では、いつもの雨音も音楽に変身!
ブラームスの「雨の歌」
ブラームスのバイオリンソナタの第1番です。実はこの曲にはシューマンの妻クララへの思いが密かに込められているのです。
そのためか、雨の日の物思いのような、しかしその物思いは寂しいものではなく、幸せな気持ちが感じられる楽曲です。
バイオリンとピアノが織り成すドラマティックな曲調は温かみがあり、秋の長雨のような冷たい雨がしとしとと絶え間なく降っているときに、ぴったりです。
暖かい室内でお茶でも飲みながら、窓越しに雨を眺め、楽しい物思いにふけりたいときに聴きたいですね。
ドビュッシー の「朝の雨に感謝するために」
ドビューシーがギリシャへの憧れを表現した、ピアノ連弾曲集「6つの古代の墓碑銘」の1曲です。
タイトルの「朝の雨に感謝」の言葉にも表されているように、雨に対するポジティブな気持ちが感じられます。
エキゾティックな曲調がユーモラスな感じさえ漂わせるこの曲、聴いていると、子供の頃のように雨に濡れてみてもいいかなという気持ちにすらなりそうです。
朝起きてカーテンを開けたら雨だったというときに「憂鬱」と思う前にこの曲を聴けば、雨の日って楽しいという気持ちに!
また雨をテーマとしたドビュッシーの作品には「雨の庭」もあります。
全く違った雨の雰囲気で、こちらもおすすめです。
ショパンの「雨だれの前奏曲」
雨を題材にした曲として、最も代表的なものといえばこの曲。ショパンがスペイン・マヨルカ島で完成させた24の前奏曲の15番です。
彼は健康状態の改善を願って気候が良いと評判のマヨルカ島に1838年11月から翌年2月まで滞在しました。
しかし残念なことに、マヨルカ島の秋冬は気温は高くない上に湿度が高く、特に11月は一年で一番天気の悪い時で雨の日も多く、夏のからりとした気持ちの良い地中海気候の面影はまったくない時期です。
そのため彼の健康状態は良くなるどころか、悪化してしまいました。しかし、このマヨルカ島の悪天候のお陰でこの作品ができたと考えると、ショパンには申し訳ないですが、音楽的によかったといえるでしょう。
冷たくじめじめしたマヨルカ島の秋の長雨と閉鎖的な島人の冷たい仕打ち、そういったつらい状況下でもその思いを美しいメロディーに昇華させた名曲です。
ギロックの「雨の日の噴水」
1993年に亡くなったアメリカの作曲家・ギロックのピアノ小曲集「こどものためのアルバム」の収録曲。
上から落ちる雨粒と下から吹き上がる噴水という2つの水の掛け合いを主題とした楽しい曲です。
雨のしずくの中で水しぶきを上げる噴水、そんなきらきらとしたはじける水の玉の連なりのような美しく透明感がピアノの音色で表現されています。
この曲を聴いたら、お気に入りの傘と長靴で雨の日の散歩がしたくなるような、雨の日を楽しく感じさせてくれる作品です。
雨の日に似合うクラシックピアノ曲
クラシックでは色々な楽器を使い雨音を表現しています。
しかし、しとしと降る小雨から、ザーザーと降る嵐の雨まで1つで表現できるのはピアノではないでしょうか。
そんな雨の日に似合うピアノの音色が楽しめるCD「ヒーリング・ピアノ」の紹介です。
本格的なクラシック曲に水のせせらぎなどの自然音を組み合わせて、癒し効果をアップさせたCDです。雨の日のリラックスタイムにどうぞ。